昔、殺人に時効があった頃、
映像作品では、逃走中の容疑者がアナログ時計を見つめ、長針短針、秒針が十二で揃うまで、汗を流し、何もせず、カチカチカチ……という秒針の音だけに包まれて、極度の緊迫の中、
時効成立を待つ。というシーンがよくありました。
それに少し似ているでしょうか?
ベッドに入ってからの長い長い眠れない時間、強い不安感の中を漂っています。
周りの人が、世の中が、この厄介者(私)を迷惑がっている。
人の為になる事を何一つしていない私は、速やかに消えなければならないのにもかかわらず、
まだ死ねていない。
カチカチカチカチ……ドッドッドッドッ……、
秒針の音と心臓の鼓動。
それと、一階から聞こえてくる声は、この二階にあるお荷物をどうするのかと、
困惑の匂いを漂わせている。
結局、一般的に人や世間が迷惑がる人間に、
私はなってしまった。
この長い時間、幾ら待っても、
時効は来ない。
微動だにせず、ただ焦っている。
罪を犯して逃げているのか。
逃げ続ける限り、
安息には手が届かない。
🕛 👻💦