朦朧としながら床を這って、水道があるトイレまで移動した。
[水が飲みたい]
三日四日何も食べないだけで、ここまでフラフラになるのか。
それでも身体にはまだたっぷり脂肪が付いている、という事は、先は長い。
ーーー餓死しようーーー
そう決めても、喉の渇きには堪えられず、水場に吸い寄せられた。
水を飲んで、トイレの床にへたり込む。
私は肉が苦手でごくたまに食べるくらいだが、脳裏には山盛りの鶏の唐揚げが浮かんでいる。
……食べたいらしい。
再び這って部屋に戻り、ベッドに横になる。
恥ずかしい事に昨日は、これまたたまにしか食べないスナック菓子が、山盛り状態になってずっと脳裏にいた。
……食べたかったらしい。
こんな感じでずっと部屋で寝ていたら、母が、
「救急車呼ぶわよっ💢❗❗」
と騒ぎ立てた。
それでは意味が無い、元の木阿弥だ。
泥沼に沈んでいく途中引き揚げられ、身体を洗われ綺麗にされて再び泥沼に放り投げられる様なものだ。
病院に運ばれ身体だけ健康にされ、また下界に戻される、それは勘弁してくれ。
という事で、何故今私がこの様な状態になっているのかを、母に説明する事にした。
無駄でも何でも、救急車を呼ばれるのだけは阻止したい。
(続く👻)