「(🐭)今更、君を殴った罪悪感とか?」
「(🚶)その人からは殴られたりの酷い扱いは受けてない、寧ろ近付いてさえ来なかった。…少しずつ僕に、話してくれた。小学生の頃、いじめられていた同級生を見て見ぬ振りしてしまって、ずっと悔やんでいたのに、僕を見ない様にしてしまって、気が付いたらゴミ箱に捨てられてて、また、自分は何も出来なかったと、泣きながら、「ごめんなさい」って……」
「(👸)まぁ、切ない」
「(🚶)僕に涙が落ちたら、何だかそこが痛くて。いくらボッコボコにされても首がもげても全く痛くなかったのに、いや、痛いっていうのがよくわからないんだけど、たぶん痛いってこんな感じ」
「(👧)共感したんだ、その人の心の痛み」
「(🚶)心、」
「(👸)やっぱり君は人形だよ。だからその人、ここに連れてきてくれたんでしょ」
「(🚶)人形かぁ…僕が、いいのかな」
「(🐭)何だかその絆創膏、羨ましいくらいだよ」
「(🚶)エヘヘ、照れるね」
「(👸)人間も様々だね。私の家には家政婦さんがいて、いつもケースを拭いて埃が付かない様にしてくれて、毎回「あなたは本当に美しいわ~」って言ってくれた。装飾品としてほったらかしにされてた訳でもないのかも」
「(🐭)いろいろあったね、僕達も」
「(👧)ゴミになる子の方がずっと多いのに、私達ってここに連れてきて貰えた。もしかして凄い事なのかも」
人形達は、窓から天を仰ぐ。
「皆さーん、」
倉庫の中に、業者の人間の声が響いた。
(続く👻)