毒親への返報

毒親や虐待をメインに書いています。

人形、天に還る④

「(🐭)今更、君を殴った罪悪感とか?」

「(🚶)その人からは殴られたりの酷い扱いは受けてない、寧ろ近付いてさえ来なかった。…少しずつ僕に、話してくれた。小学生の頃、いじめられていた同級生を見て見ぬ振りしてしまって、ずっと悔やんでいたのに、僕を見ない様にしてしまって、気が付いたらゴミ箱に捨てられてて、また、自分は何も出来なかったと、泣きながら、「ごめんなさい」って……」

「(👸)まぁ、切ない」

「(🚶)僕に涙が落ちたら、何だかそこが痛くて。いくらボッコボコにされても首がもげても全く痛くなかったのに、いや、痛いっていうのがよくわからないんだけど、たぶん痛いってこんな感じ」

「(👧)共感したんだ、その人の心の痛み」

「(🚶)心、」

「(👸)やっぱり君は人形だよ。だからその人、ここに連れてきてくれたんでしょ」

「(🚶)人形かぁ…僕が、いいのかな」

「(🐭)何だかその絆創膏、羨ましいくらいだよ」

「(🚶)エヘヘ、照れるね」

「(👸)人間も様々だね。私の家には家政婦さんがいて、いつもケースを拭いて埃が付かない様にしてくれて、毎回「あなたは本当に美しいわ~」って言ってくれた。装飾品としてほったらかしにされてた訳でもないのかも」

「(🐭)いろいろあったね、僕達も」

「(👧)ゴミになる子の方がずっと多いのに、私達ってここに連れてきて貰えた。もしかして凄い事なのかも」

人形達は、窓から天を仰ぐ。


「皆さーん、」

倉庫の中に、業者の人間の声が響いた。


                  (続く👻)