エレベーターに乗って階を変えても、同じ様な風景が迷路みたいに入り組んでいる。
病室が続くところは子供一人ウロウロしていても他に紛れられるが、
少し進むと検査室やよくわからないカタカナ名の部屋があって、職員を見掛けるとつい隠れて、またエレベーターに乗ったりして。
気が付くと、今いる階には、呻き声が響いている。
一気に恐怖に襲われ、不安になった。
孤独なんだ、逃げるという事は。
これはまだマシだ。家の中での孤独は、他の人間が近くにいる分、強烈に降り掛かる。
病院だから、呻く患者くらいいるだろう。
そう言えば昔、両親が地元のお祭りにお兄ちゃんだけを連れて行った時、
家の中で一人泣いた後、僕も呻いた気がする。
変な声が出た。
あー、あー、うー、うー。
そして疲れて止めた。
無駄。
何もかも鈍くなって、感じづらくなっていったと思う。
ならば、今感じている恐怖心は、悪くない。
人間っぽいじゃないか。
しかし居心地は悪いので、別の所に行こう。
「あれ?君どうしたの」
(続く👻)